１１月１６日朝８時、宿の周囲を散策。朝の涼しい空気がとても心地良い。すぐ近くの海
まで歩いていくと、すれ違う子供達が 「グッモーニン！」と挨拶してくれた。９時４５分、チ
ェックアウト。宿から空港まではミニバスに乗って行く。ここに滞在中、本当に良くしてくれ
たフロントの女性がミニバスを停めてくれて、空港まで行くように運転手に説明してくれ
た。最後まで世話になりっぱなし。空港までは約１０分で、運賃ＶＴ１００。ポートビラに着
いた夜に利用したタクシーの１０分の１の運賃だ。

　空港ターミナルの入口には、このターミナルが日本の援助により建てられたことを示す
プレートが貼られていた。少し“これみよがし気”だが、バヌアツの人々が少しでも親日的
になってくれるのであれば、こうしたプレートも悪くない。その空港の設備はいささか古
く、預ける荷物は体重計のような量りで重さを量るし、ボーディングパスは氏名・便名・座
席など全て手書き。南海の孤島っぽくて良いのだが、マイルの登録もココではできなかっ
た。ただ「出国手続後のロビー内には両替窓口が無い事」や「空港からのタクシーの運
賃表」など細かい掲示が多く、全体的に気が利いている印象だ。搭乗手続の次は残った
ＶＴの両替。今回は次の目的地・フィジーの通貨に両替したかったのだが在庫が無いら
しいので、ＵＳＤへ両替。その後の僅かな残金でガムを購入したものの、到着した時の
両替で手にした端数のＶＴ３だけは１度も使うチャンスが無いまま手許に残ってしまった。
地元のスーパーさえ値札にＶＴ１０以下の端数は付けておらず、このＶＴ１硬貨やＶＴ２硬
貨は何処で使われているのだろうか。（ポートビラは都市部なので、小銭の使用頻度が
少ないのかもしれない。） その後あっさりとした出国審査と手荷物検査を終え出発ロビ
ーへ。ここには小さいが一応デューティーフリーもある。商品はショーケースの中に入っ
ていたので、ＣＫone（１００ml・ＶＴ４９８０）以外は値段をチェックできなかったが、決して
安いとは思えない雰囲気。あまり買物をする人の姿も無かった。ロビーのベンチで搭乗
を待っていると、行き交う空港職員が皆な握手を求め、声を掛けてくる。「調子はどうだ
い？」「昨日は良く眠れたか？」といった調子。フレンドリーなのは悪い気はしないが、そ
んなに日本人が珍しい訳ではないだろうに・・・

　今日の便はエア・パシフィック（ＦＪ）とエア・バヌアツ（ＮＦ）の共同運航便。ＦＪ機材のＢ
７３７−７００は、比較的キレイ。機内は５〜６割の搭乗率。１時間半のフライトだがちゃ
んと機内食も出る。機内でサーブされたビール「ＦＩＪＩ　ＢＩＴＴＥＲ」（４．６％・３５５ｍｌ）は
青地にヤシの木や島のイラストが配されたトロピカルなデザインの缶。機内食のラザニ
アも旨い。曇り空のポートビラを離陸してからずっと雲の上のフライトだったが、高度を下
げるにつれて小さな島々や環礁が幾つも見え始めた。バヌアツに比べて時計を１時間進
め、ちょうど１４時に機体はナンディ国際空港に着陸した。

　「ＦＪの機内食。ｻｰﾋﾞｽは総じて良い。」　　「島々が現れると、まもなくﾌｨｼﾞｰに到着。」

　機内で配られたフィジーの入国カードは税関や検疫の申告も一緒になった大きめの用
紙。質問項目の中には、人種（この項目はフィジー居住者のみ回答）を問う項目や、検
疫の質問として「販売用やチャリティに供する古着を持っているか？」といった項目もあ
った。入国審査自体は特に質問も無く進んだが、ここでも出国便の航空券の提示を求め
られた。続いて１階に下り、預けた手荷物をピックアップ。ここには免税店もあり、伝統的
な巻きスカートをはいた男性店員の姿も見られた。大きくはないが、キレイな空港だ。

　全ての入国手続を終え、今度は宿の手配。空港のパブリックスペースに出て、スグ左
側にある旅行会社・ＵＴＣのカウンターで情報収集する。１人で応対していた女性従業員
のシルビアはテキパキしていて、幾つかの宿を紹介してくれる。ただ私が希望したニュ
ー・タウン・ビーチ周辺の宿は、どこも満室だった。結局予約したのは空港とナンディの
町の中間にあるウエスツ・モーター・イン。シャワー・トイレ・エアコン・冷蔵庫･電話付で１
泊・６２フィジー・ドル（以下 Ｆ＄と表記。Ｆ＄１≒６３円）。代金をカードで支払うと、シルビ
アはクーポンを発行してくれた。

　ＵＴＣのオフィスで暫く待っていると、宿の送迎車がやって来た。空港から宿までは車で
約１０分。送迎車の運転手は、私が日本人だと知ると、「オレは以前日本人の女の子と
付き合ってたんだ。」と、幾つかのカタコト日本語を披露してくれた。海外ではアリガチな
自慢話だ。そうこうしているうちに車は宿に到着。宿の周りには花があふれ、中庭にはプ
ールもある。決してゴージャスではないが、ちょっとイイ感じだ。

　チェックインを済ませて部屋に荷物を置くと、さっそく町歩きに出る事にする。宿のすぐ
前から、ナンディの町へ向かうバスに乗り込む。運賃は Ｆ＄０．６。窓にはガラスがはめ
込まれておらず、オープンエアな車内は南国らしい雰囲気だ。バスに乗って５分程経つ
と、道路は小さな川を渡る。ここからがナンディの町。ただこの日は日曜で、メインストリ
ートの両側の店は閉まっている所が多かった。

　バスターミナルでバスを下り、メインストリートまで歩いて戻る。途中にあったインド料理
店「カレーハウス」が気になったので、今日はココで夕食を取る事にした。英連邦の一国
であるフィジーには、かつて労働力として連れて来られたインド人が現在でもたくさん住
んでおり、インド人が経営する店が多く見られる。店内で応対してくれたインド系女性店
員は、挨拶程度の日本語も話す。きっと日本人来店客も多いのだろう。私がココでオー
ダーしたのはビーフカレー Ｆ＄１５＋ラッシー Ｆ＄４．７５。やはりアルコールは無い。ナ
ンやライスにチャツネが添えられた２種のカレールーは本格インドカレーだが、思ってい
たほど辛くない。食後は町を散策するが、営業している店も少ないので、歩いて宿まで戻
ることにした。

「完璧よりも下手ｳﾏな日本語の方がそそる。」　　「ここの映画館ではｲﾝﾄﾞ映画を上映。」

　１１月１７日、この日は朝から宿のプールでノンビリ過ごす。昼には宿から歩いて１０分
ちょっとのところにあるマクドナルドへ。カウンターで注文を済ますと、応対してくれた無
愛想な女の子が、私に「どこから来たの？」と聞いてきた。私が「日本から来た。」と告げ
ると、相変わらず無表情のまま、「ジャパン！ホリディ？フィジーは好き？」とアレコレ聞
いてきた。私がカウンターの前を去った後も、周りの従業員に私の事を説明している。無
表情ながら、やや興奮しているようだ。今回私がオーダーしたのは、新商品のＢＢＱベー
コンチーズバーガー（Ｆ＄３．２５）＋ベジタブル・マックナゲット（４Ｐ・Ｆ＄３．９５）＋ファン
タ・パイナップル（Ｆ＄１．９５）。ＢＢＱベーコンチーズバーガーは、１００％チキンのベー
コンとチーズとビーフパティに、バーベキューソース（ナゲットと同じソースか？）が掛かっ
たハンバーガー。ベジタブル・マックナゲットは、ポテト・コーン・人参・ブロッコリー・オニ
オン・米が入った一口サイズの野菜コロッケ風ベジタリアンメニュー。私は中華風のスイ
ートサワーソースを付けてトライ。両メニューとも普通にウマイが、特に目新しい感じはし
ない味だった。

　夕方になり、まずは宿のカウンターバーでハッピーアワーのビール「ＦＩＪＩ　ＧＯＬＤ」 Ｆ
＄２．７を一杯。そしてこの日もナンディの町に出かけることにした。日曜のためほとんど
の店が閉まっていた昨日と違い、この日の町は多くの人で賑わっていた。またメインスト
リートの突き当りにはヒンズー教のスリ・シヴァ・スブラマニヤ・スワミ寺院がある。あまり
見慣れぬカラフルな寺院。こういう所にも、フィジーにインド人社会が根付いている事が
感じられた。

　この日の夕食は、宿の中庭に面したオープンエアのレストランで取る事に。店頭の黒
板に書かれたディナー・スペシャルの中から「クリーミー・オーシャン・ポット」（Ｆ＄２０）と
ビール「ＦＩＪＩ　Ｂitter」（４．６％・３７５ｍｌ瓶・Ｆ＄４．２）をオーダー。いろんな魚介が入っ
たホワイトソースのグラタン風料理に、野菜やライスが添えられた大皿メニュー。ボリュ
ーム満点でちょっと幸せな気分だ。

　「巻ｽｶｰﾄをはいた男性の姿もﾁﾗﾎﾗ。」　　 「ﾅﾝﾃﾞｨから徒歩15分の物件 1,200万円。」