１１/９　イスラ・デ・パスクア　マタベリ空港　ＩＰＱ　２２：２０

　　　　　　　　　　　　　　-ＬＡ８３３→　２３：２０　パペーテ　ファアア国際空港　ＰＰＴ

　空港でのチェックインを済ませて出国ゲートへ進む。出国手続は非常にあっさりしたも
の。出国ロビーに数軒の土産物店がある程度の小さな空港だ。イースター島に来た時に
比べ、出発ロビー内は意外と日本人比率が高い。日本からイースター島に来る人には、
南米経由よりもタヒチ経由の方がメジャーなのだろうか？

　２１時半にはサンティアゴからの機体が到着し、定刻から１０分遅れの２２時半にイー
スター島を出発。今回乗るのは４日前と同じＬＡ８３３便だが、前回と違いエコノミークラス
にパーソナルモニターは設置されていなかった。この便の目的地・パペーテまでのフライ
トは所要６時間。ただイースター島とタヒチの間には５時間の時差があるので、飛行機が
タヒチの首都・パペーテに到着したのは依然１１月 ９日の２３時２８分だった。

　空港についてターミナルビルに入ると、年齢性別問わず全員にティアレタヒチの花を１
輪ずつプレゼントしてくれる。こんな時刻の到着なのに、ちゃんと楽器の生演奏で我々を
出迎えてくれた。空港で目に付いたのは、空港内の案内に日本語が多いこと。大抵の場
合、英語・フランス語・日本語の３ヶ国語で表示されている。機内で書いた入国カードも３
ヶ国語表示。タヒチのあるフレンチ・ポリネシアはフランス領であるが、欧米からはかなり
遠い。ここへの観光客の中心は、やはり同じ太平洋にある日本からの客なのだろう。実
際入国ゲートを抜けると、「歓迎　サイトウ様」といったような日本語の看板が溢れかえっ
ていた。また空港内の至る所に花が飾られていたのも印象的。トイレの洗面台の周りま
でも花が山積みされていて、リゾートに来た事を実感させてくれる。またロビーにある LA

 POSTE のロゴが入った黄色いポストは、ここがフランスであることをアピールしていた。

　この時点で、時刻は０時すぎ。空港内でホテルの案内所を探すが見つからない。また
私はココから次の目的地へのフライトの情報収集をしたかったので、空港内にある航空
会社のオフィスが開く明朝まで空港内で時間を潰す事にした。到着ロビーのベンチに座
っていると、足元を小さなカニが歩いていく。この空港は海から近いのだろう。またここは
決して大きな空港ではないが、ターミナル内には２４時間営業しているカフェもあった。バ
ンク・ド・ポリネシアの両替窓口も飛行機の時刻に合わせて営業している。（２４時間稼動
している自動両替機もあり。） 私もとりあえず ５０ＵＳＤを ４，４７５フレンチパシフィック・
フラン（略号はＸＰＦ）に両替した。

　１１月１０日朝３時、日本からのエア・タヒチ・ヌイ（ＴＮ）の便が到着したため空港内は
日本人だらけ。客層はハネムーナーのようなカップルが中心。そのほとんどが、ココから
ボラボラ島へのエア・タヒチの便に乗り継ぐようだ。やはりタヒチを訪れる人の多くはモー
レア島やボラボラ島などのリゾート･アイランドを目指すようだ。ただし私の今回の旅で
は、パペーテのあるタヒチ島のみの滞在となる予定だ。

　５時になり、ロビーにあるカフェ「Bar Manureva」でアーモンド・クロワッサン（１６０ＸＰ
Ｆ）とカフェオレ（２３０ＸＰＦ）のフランスらしい朝食。カフェオレやコーヒーはレジでトークン
を貰い、カフェ中央の機械で自分で入れるシステムだ。

　そうしてようやく時刻は９時。私は次の目的地であるニューカレドニアに拠点を構えるエ
ア・カランのオフィスを訪ねた。ところがパペーテからニューカレドニアの首都・ヌメアへ
の便は毎週土曜の週１便のみ。この日は月曜なので、土曜までは５日間もある。予定変
更しなければならないようだ。いずれにしても一旦パペーテの街に向かうことにしよう。

　空港から街までは、本当はル・トラックと呼ばれる乗合トラックに乗ってみたかったのだ
が、手荷物は多いし勝手が判らない。今回はタクシーに乗る事にした。タクシー乗り場で
待っていたのは南国らしいドレスを着た女性ドライバーが運転する真っ白いプジョーのタ
クシー。ここ暫く滞在した南米各国に比べて遥かに新しくてキレイな車両。その分運賃も
高く、街まで１０数分で １，５００ＸＰＦだった。

　空港からパペーテの街に入り、海に面したポマレ大通り沿いにある観光案内所の前で
タクシーを下りる。まずは今夜の宿探し。案内所にはホテルリストの他、タヒチ・ビーチ・
プレスなどの冊子や地図が充実している。ただリスト記載のホテルはどれも１泊 １０，０
００ＸＰＦ以上と総じて高値だ。結局この日選んだのはポマレ大通りを少し北上した所で
目に付いたロイヤルパペーテ・ホテル。外観も内部も少し古びているが、街の中心にあ
るのは何かと便利そうだ。 ６，０００・７，０００・８，０００ＸＰＦ（いずれもシングル。部屋の
場所によって値段が異なる。）の部屋のうち、この日は既に ６，０００ＸＰＦの部屋が満室
だったので、私の部屋は ７，０００ＸＰＦ。チェックインは１４時だが、１３時には部屋に入
れるとの事だった。

　ホテルのフロントの荷物を預け、街歩きスタート。この日は天気もまずまずで、街から
見える海も青い。海の向こうにはモーレア島も見える。ただパペーテの街にはビーチが
ないのが残念だ。街の中心にあるのは公共市場「マルシェ」。中には肉や野菜の生鮮食
料品から加工食品、土産物にもなりそうな民芸品に華やかなパレオまで、様々なものが
売られている。こういう所を歩いているのが一番楽しい。ココヤシの実のジュース（２００Ｘ
ＰＦ）や、中華惣菜店の揚げワンタン（３ケ・１００ＸＰＦ）にサンドウィッチ（１５０ＸＰＦ）と、
ついつい買い食いしてしまう。またココの２階には南国らしい楽器演奏を聴きながら食事
ができるスペースもあった。

　カテドラルを覗いた後、近くにあったニュージーランド航空（ＮＺ）のオフィスで航空券の
手配。パペーテからニュージーランドのオークランドまでの便は毎日出ている。そこで一
旦オークランドへ向かい、そこからヌメアに行くことにしたのだ。翌日のオークランド行は
ＮＺとＴＮの２便。幾つかの旅行代理店を聞いて廻ったが、どこも料金に大差はない。結
局ＮＺのオフィスで手配したチケット　往復 ６０，７９０ＸＰＦが最も安かった。（実際に利用
するのは片道だが、ニュージーランドも往復チケットを持っていないと入国できないよう
だ。）

「ﾊﾟﾍﾟｰﾃ港を散策。天気も良く気持ちよい。」　　「食料品から土産物まで並ぶﾏﾙｼｪ。」

　１３時になり一旦ホテルに戻る。私の泊まる１３３号室はバス・トイレ・エアコン・電話付
で ７，０００ＸＰＦ。ただこの値段でＴＶも無く、備え付けの冷蔵庫も機能しないのは少し淋
しい。再び街に戻って今度はバイマ・ショッピングセンターへ。タヒチの店は昼に休憩時
間を採る店が多い。このショッピングセンターの２階にある回転ずし店「Sushi Bar」の営
業時間なんて、木〜土曜は １１時１５分〜１４時と１８時１５分〜２２時。月〜水曜は １１
時１５分〜１４時のみ （日曜休）というヤル気の無さ。羨ましい限りの南国モードだ。ちな
みに回転ずしの料金は ２７０〜７００ＸＰＦの間で６段階の皿が設定されていた。

　その後さらに海沿いの道を南下。タヒチは本当に花が多く、街を歩いているだけでも楽
しい。街の南端にあるトアタ広場では、１４・１５日に予定されていたＵＢ４０の野外ライブ
の会場を設営していた。

　パペーテの街で気になったのは、意外とアルコールを売る店が少ないこと。もちろんレ
ストランではアルコールを扱っているのだが、商店でビールなどを買って持ち帰れる店が
なかなか見つからないのだ。代わりに買ったミネラルウォーター・VAIMATO（０．５リット
ル・１３０ＸＰＦ）のラベルには、タヒチらしくゴーギャンの絵があしらわれている。またタヒ
チ土産として有名な黒真珠を売る店が街に並ぶが、他の店に比べ、黒真珠の店に限っ
ては日本語の看板が前面に掲げられている。やはり“日本人＝金持ち”というイメージな
のだろうか？なんだか少し複雑な心境だ。

　１８時を廻り、周囲が薄暗くなってきた。商店の多くは１７〜１８時で閉店してしまう。海
に面した公園にはルロットと呼ばれる屋台トラックが何台も集まっていた。見ていると中
華料理を出すルロットが多い。パペーテには中国からの移民が多いと見えて、そういえ
ば街の中にも在タヒチ中国人向けの施設があった。ただ店のメニューを見ていくと、一番
安い炒麺で ８５０ＸＰＦ、肉・魚などの料理は最低 １，０００ＸＰＦと案外値段が高い。タヒ
チに来る前からニュー・カレドニアやフレンチ・ポリネシアは物価が高いと聞いていたが、
やはり噂どおりだ。結局この日は閉店間際のマルシェで中華チマキや肉まん（合計 ５０
０ＸＰＦ）を買うことにした。そして締めはホテル近くのマナ・ロック・カフェで一服。ここでは
３０分 ５００ＸＰＦでインターネットを使う事もできる。特に何があるわけではないが、店内
は多くの若者で賑わっていた。ここで飲むのは、もちろんヒナノ・ビール（５％・３３ｃｌ瓶・５
００ＸＰＦ）。日本でも有名な、ラベルの可愛いビールだ。

　　　「夕方になると出没するルロット。」　　　　　　「タヒチといえば、ヒナノ・ビール。」