次の目的地・エイラットまでのバスは1日４便。最終は１８時だ。エン・ゲディ・スパから
乗ったバスは、隣町のエン・ボケックで２５分間の休憩。レストハウスでは他の客を見よう
見真似で注文してみた。２５cmくらいのバケットに、ファラフェルというヒヨコ豆をつぶして
揚げたモノ（私が知らないと言うと、最初に１つ試食させてくれた。）を４つに、フームス
（ヒヨコ豆のペースト。これも試食付。）とフライドポテトを山盛り。後は何種類かあるサラ
ダを好きなだけ自分で盛る。これで１２ＮＩＳ（約３２４円）だ。味も美味い。そしてバスは出
発。こちらのバスはどんなに歩行者の多いホテル街でも猛スピードで駆け抜ける。やが
て辺りは暗くなり、再度の休憩の後、夜２１時２５分に終点・エイラットに到着。今夜はバ
スターミナルのすぐ前にあるホテル「ハ・シャローム」（１泊１００ＮＩＳ。シャワー・トイレ・Ｔ
Ｖ付）に宿泊。ビールはホロ苦い GOLDSTAR （４．９％・３３０ml）、９ＮＩＳだ。

　９月１２日、ホテルにあったコインロッカー（１５ＮＩＳ）に荷物を入れ、次の目的地である
エジプトの領事館へビザ申請に行く。ところが領事館は金・土が休み。すっかり曜日感覚
を失ってきた頃だが、確かに今日は金曜日。これで日曜までこの街に居ることが決まっ
た。そのまましばらく散策。道も広く、良く整備された街だ。道を歩いていたら、突然警察
官を名乗る私服の男に呼び止められた。パスポート提示と荷物のチェックを求められ、
さらにはデジカメの写真を見せるよう言ってくる。どうやら少し前に私が街頭の写真を撮
っていたのを見ていたらしく、街の中にあるエイラット空港の建物が背景に映っているの
がマズイらしい。即座に消去すると、無事開放された。続いて空港近くのビーチに面した
大型ショッピングセンターへ。例によって手荷物チェックとＸ線検査を受け中に入ると、こ
の辺り一帯は大型リゾートホテルが立ち並ぶせいか、観光客で大賑わい。２階に上がる
と、フードコートの近くにツアーデスクを発見。翌日は丸一日予定が空いているので、ここ
から近いヨルダンの世界遺産・ペトラへのツアーに参加しようと思いついた。聞いてみる
と、ペトラへのツアーは毎週水・土なのだけれども、明日は既に満員だと言う。ここまで
来ると諦めきれず、旅行会社を探しにリゾートホテル街へ足を向けた。ノースビーチを過
ぎ、ラグーンに掛かる橋の手前に幾つかのツアーデスクがあり、その中の１軒に入る。さ
っきのツアーデスクと同じ料金表だったので、ダメモトで聞いてみると、デスクの女性が
催行会社に電話をしてくれてＯＫの返事。ビザの準備の為か、パスポートのコピーを催
行会社へＦＡＸ。代金１３９ＵＳＤ（料金表もこのツアーは米ドル建て）をカードで支払い、
明日の予定が決まった。

　ビーチに戻り、海に入ってみる。紅海の水は冷たく、とても澄んでいる。ダイビングも盛
んらしく、リゾートとして賑わうのも頷ける。それにしてもココは暑い。空気が乾燥している
ので不快感は無いが、手許の温度計は３７〜３８℃を差し、日差しは強烈だ。金曜日の
せいかもしれないが、街の人出も比較的涼しかった午前中に比べると少ない気がする。

「イスラエル随一のリゾート地・エイラット。　　　「シャロームプラザで見かけたATM。

　　　　観光客が多く、華やかなムード。」　　　　　日本円を含む７通貨の両替が可能。」

　ここでシャロームプラザ２Ｆにあった日本料理店「YOSHIDA 良田居酒屋」に入ってみ
た。今まで海外旅行中に日本料理店に行った事は一度も無い。高級な店が多いし、何も
海外に行ってまで日本料理を食べようとは思わないからだ。ただココのあまりに怪しげな
雰囲気に、つい心奪われてしまった。日本人をほとんど見かけない街での日本料理とい
うのも悪くない。醤油など日本の調味料のショップを兼ねた店内に入り席に着くと、一人
の東洋人女性が声を掛けてきた。最初は聞き取れなかったが、聞き返すと「ヘブライ語
は判りますか？」という少したどたどしい日本語だった。「判らない。」と答えると、日本人
だと名乗る彼女がメニューの説明をしてくれた。味噌汁・酢の物・おにぎり・うどん・ラーメ
ン・・・　ハンバーグの乗った焼きそばや、串焼きの乗ったライスなど、アレンジの加わっ
たものもある。数年前からイスラエルでは日本食ブームだとは聞いていた。「ここのスシ
はイスラエルで一番美味しいのよ。」というので巻物を注文。外国人には人気があるの
か「カリフォルニア巻」もあるが、ここはオーソドックスにネギトロとサーモン。ビールはア
サヒ・スーパードライ（５％・３３０ml瓶）だ。

　外国らしく、ビールに続いてまずはスープ。レンゲが添えられた豆腐とワカメの味噌汁
は煮立ったように熱い。豆腐が少し固めだが、まぁ旨い。続いて「手巻き寿司立て」に乗
ったネギトロ手巻、そしてサーモン巻が出てきた。ワサビが巻の中ではなく、ガリの横に
添えられているのは外国人への配慮か？ヤマサ醤油を付けて食べる味は、日本のコン
ビニで売られていてもおかしくない程度の普通の味。メニューにタイ風カレーが乗ってい
たので聞いてみると、案の定、握っているのは日本での修行経験のあるタイ人だ。ここ
へ来るのは観光客より国連関係の仕事で来ている人が多いらしい。店名の由来を聞い
たが、店員である彼女も「聞いたことがない」そうだ。代金を支払って伝票を受け取ると、
そこには“ひらがな”で「ありがとうございました！」と添えられていた。

　昨夜のホテルはキレイで快適だったので、もう２晩、再チェックインし、夕方再度ビーチ
へ。アカバ湾を隔てた対岸にはヨルダン、そしてサウジアラビアがすぐ近くに見える。リゾ
ート地・エイラットといえども金曜の夜は閉まっている店が多い。今夜はパンを幾つか買
ってホテルに戻る。今夜のビール・Nesher Malt(４８０ml・３．３５ＮＩＳ）は妙に甘かった。

（ラベルはヘブライ語オンリーなので良く判らないが、これってノンアルコールビール？）

「ﾈｷﾞﾄﾛ手巻・ｻｰﾓﾝ巻・ﾋﾞｰﾙ 各15NIS ＋　　　　　「ビーチの向こうの灯りは

みそ汁 12NIS＋ﾁｯﾌﾟで 60NIS（約\1,620)」　　　　　　　　　　　　サウジアラビアか？」