朝５時４５分、ＥＫ３１７便はドバイに到着。入国審査も「今夜サナアに行く途中のトラン
ジットだ。」と告げると”あっという間に”クリア。こうして今回の旅の１カ国目（個人的には
２６番目の国・地域）Ｕ.Ａ.Ｅ.に入国する。まず最初にしておきたかったのが、１１日分のう
ち未購入部分のチケット手配。ＥＫ利用の DXB-DOH便は即購入できたものの、出発タ
ーミナルの発券カウンター（窓口は「ＥＫ用」と「それ以外用」に分かれている。）ではイエ
メニア航空(IY)利用での SAH-DXB便の手配ができなかったのだ。まだ早朝なのでＩＹの
オフィスも開いていない。ただ発券カウンターでは発券はできないものの空席状況の確
認はできるらしく、現時点で空席充分。チケット購入はサナアについてからでいいや。

　手許資金として 30USD を 108AED へと両替。空港の両替窓口ではＴ/Ｃは 100USD
券のみの取扱とのこと。以後今回の旅でＵＳドル建てのＴ/Ｃを両替できた空港は無かっ
た。次はレンタカー。事前に米・Thrifty社のホームページから予約をしていったので手
続きもスムーズ。さらに最低価格の「エコノミーカー・Ｍ/Ｔ」で予約していったものの、さす
がはリゾート地・ドバイ。ラインナップにＡ/Ｔ車しかなく、車格も一つ上のコンパクトカーク
ラス・日産サニー（と言っても日本でのブルーバード・シルフィがベース）が用意されてい
た。しかも値段は予約時の一日 100AED + 保険 25AED（価格表では 200AEDの車）。
ラッキー！今回走行距離の制限はなかったが、ガソリンは別途自己負担。ただそれが
「満タン借り・満タン返し」ではなく、「借りた時に燃料計が真ん中を指しているから、真ん
中で返す」という曖昧なもの。これもガソリン　リッターあたり 30〜40円のアラブだから
か？（ドバイでの相場は１ｶﾞﾛﾝ=スペシャル（ﾚｷﾞｭﾗｰ） 4AED、スーパー（ﾊｲｵｸ） 5AED）

　ドバイ市内は後日戻ってくるため、この日は内陸のオアシスの街・アルアインと、ドバイ
の北に接する首長国・シャルジャを回ることにした。車社会であるアラブ諸国の道路事情
は良く、アルアインまでのハイウェイも広々とした片側３車線。途中ドライブインに寄った
り、給油したりしながらでも２時間足らずでアルアインに着いた。砂漠の中にありながら
花や緑が豊かな美しい街だが、イラク情勢の悪化で延期となった「FIFAワールドユース
選手権」のポスターが街中に貼られているのが哀しい。アルアインの街に入ると「ツーリ
ストは紫色の標識に従うように」との標識が。アルアインの道路標識のうち名所旧跡の
所在を示すものは、全て紫色のものに統一されているのだ。これが非常に判り易く、市
内を巡った後、郊外のハフィート山山頂まで地図ナシでたどり着くことが出来た。このハ
フィート山は砂漠にそびえ立つノコギリ状の岩山で、この草木のない荒涼とした景色は日
本にはないダイナミックなものだ。

　ハフィート山からアルアインへ戻り、マクドナルドで昼食（アラブ風ソース味の「マック・ア
ラビア」ミール。店頭表示は14AEDだが、店員は15AEDを請求。なお「マック・アラビア」
は、バーレーン・オマーンなど他のアラブ諸国でも販売中。）。その後「出入国手続きの
要らない」オマーンの町・ブライミを通ってドバイ・シャルジャへ戻ることとした。

　今度はドバイを通過して、その北に接するシャルジャへ。ドバイから車で１５分くらいだ
が、近代的な顔を持つドバイに比べ、どこか下町な風情の漂う街だ。数々の美しいモス
ク・昔ながらの街並みを残すヘリテージエリア・色々な野菜や水揚げされたばかりの魚が
並ぶスーク（市場）。最後にシャルジャ最大のスークであるセントラルマーケットを散策し
たあと、ドバイへ戻る。ワフィー・ショッピング・モール内にあるレストランで夕食をとって
いると、向かいのテーブルでは民族衣装に身を包んだ４人のアラブ人男性が水タバコを
吹かしながら談笑している。アラブに来たことを改めて実感するのであった。