イエメン

イエメン

３/１０　DXB 2:35 -EK961- 4:45 SAH

　　　「ｻﾅｱ旧市街（ﾎﾃﾙ屋上より）」　　　　「ﾀｰｼﾞ･ﾀﾙﾊ･ﾎﾃﾙ 501号室」

　再びＥＫで今度はサナアへ。日本発着便ではないのに、ここにも日本人客室乗務員が
搭乗。「日本とアラブ諸国の結び付きの強さ」を示しているような気がする。果たしてＥＫ
の日本就航前から、こうだったのだろうか？

　さてイエメンへ入国であるが、何とイミグレーションで止められてしまった。パスポートを
取り上げられ、外の待合所で待つよう指示される。到着便の乗客がハケた頃、先程の審
査官がやって来た。どうやら一人旅であることが問題らしい。「このところイエメンの治安
はあまり良くないので、次回からはツアーで来なさい。」という事なのだ。ただ約１０分の
“お説教”の後、今回は入国のお許しを得る。入国許可は１ヶ月。

　両替 20USD → 3,500YER を済ませ、今度はドバイへの帰路便のチケットを買うため
IYのオフィスへ行くが、ここでも問題発生。空港の航空会社カウンターなのにクレジットカ
ードが使えないのだ。チケット代は 45,204YER + 出国税 6,817YER = 52,021YER
(293USDとも表示）。手持ちのＴ/Ｃを使えば用意できる金額だが、空港でＴ/Ｃを現金化
できるところはナシ。また旅の序盤から手許資金の大半を使ってしまうのにも抵抗があ
る。「何処かカードが使えるところが無いか」聞いてみても「判らない」との回答。とりあえ
ずこの場は席の予約のみに留め、サナア市街へ向かうこととする。

　空港から市街までのタクシーは 1,200YER。値段交渉したり、他の車を探すふりをした
りしてもダメ。運転手曰く、全車統一料金とのこと。（ちなみに翌日、市街から空港までの
タクシーは、手持ちYER全額 985YERを差し出すも、800YERしか受け取らなかった！）
早朝の空いた道路をオンボロ・タクシーで飛ばして約１５分、旧市街の入口・バーバルヤ
マンに着く。今夜の宿は未手配なので、第１希望の「タージ・タルハ・ホテル」を目指し旧
市街に入るが、これがまるで迷路。自分が何処にいるのかも判らなくなってしまう。彷徨
うこと３０分、ようやくホテルを発見。朝早く扉が閉ざされていたが、ノックをすると人が出
てきてくれた。

　ホテルは周囲と同様、昔ながらのイエメン建築の６階建て。ステンドグラスも美しい部
屋は５０１号室。セミダブルにシャワー・トイレ付で、一泊 15USDだ。なおこのホテルの
屋上は市街を見渡せるカフェになっていたが、１階レストラン共々営業していなかった。
（ただし屋上へは上がれる。素晴らしい景色！）なんたって全２０室のうち、おそらくこの
日の宿泊客は私だけの様子だし・・・　。

　ホテルのカウンターで旧市街の詳細な地図を買い市内散策へ。どこを見ても絵になる
街並みだ。民族衣装に身を包み、腹のベルトにジャンビーア（半月刀）を差した男達が古
い街並を闊歩する有様は「まるで時が止まっている様」。この人達は何年前からこの暮
らしをし、何年後までこの暮らしを続けるのだろうか・・・　。バーバルヤマンから旧市街
を出て新市街・タハリール広場へ向かう途中、「THE GIFT FROM JAPANEESE GOVE

RＮMENT」と書かれたゴミ収集車を発見。写真を撮ろうと思ったら怒られてしまった。ゴミ
置き場の写真を撮っていると勘違いされたようだ。ゴミの写真はイエメンのイメージダウ
ンになると思ったのだろうか。さらに進むとＡＭＥＸの看板を掲げた旅行代理店「MARIB
TRAVEL & TOURISM」を発見！無事カードでドバイ行きのチケットをGETできたのだ！
この旅のスケジュールはタイトなものだったので、１つのフライトが取れないとスケジュー
ルが全部狂ってしまう。本当によかった。

　サナア旧市街で是非トライしておきたかったのが、市内に数箇所ある公衆サウナ「ハン
マーム」だ。スークでプラスチック製のコップ（手桶に使用） 100YERを購入。日本から持
参した携帯用のシャンプー・リンス・ボディシャンプーとバスタオルを持って、いざ出発。
恐る恐る地下のハンマームへ階段を下りてゆくと、一人のアラブ人が声を掛けてきた。
海外旅行中に親しげに話しかけてくる人には用心するようにしているが、何せハンマー
ムでの勝手が判らない。さらに私はアラビア語はおろか英語も今ひとつだ。ここは彼に
従うようにしよう。階段を下りて最初の広い部屋でパンツ１枚になる。日本人は珍しいの
か、周りの人から好奇の視線が。「何処から来たのか」とか聞いてくる。さらに階段を下
りてサウナ室に連れて行かれると「暫くココで待つよう」言われる。その間に「シャンプー
を貸して欲しい」とも言ってくる。先に自分が体を洗ってくるようだ。“旧市街内の建物同
様に”古い室内には若者と老人が一人ずつ。室内は汗やアンモニアの臭いがキツイ。サ
ウナ内の床に座って１０分ほど待つと、さっきのアラブ人が帰ってきた。サウナ室から連
れ出されると、出てすぐの部屋で頭を洗ってくれた。ボディシャンプーで体を洗うと、今度
はお湯をかけてくれる。ひととおり洗い終えると再度サウナ室に入り、その両側にある小
部屋の一つへ。中には蛇口からお湯が出ていて、そのお湯で体を洗い流して”出来上が
り”だ。最初の脱衣所に戻ってバスタオルで体を拭く。入浴（？）中ずっと着用していたパ
ンツを脱ごうとすると、バスタオルを巻くよう言われる。やはりイスラムの国では人前で全
裸になる訳にはいかないらしい。さて服を着終えたところで、そう言えば入る時にまだお
金を払っていなかった。聞いてみると、ここの主人らしい人に 100YER、ずっと案内・そし
て体を洗ってくれた彼に 200YERだと言う。おそらくホントはもっと安いんだろうが、彼が
いなかったら何も判らなかっただろうし、頭体を洗ってくれる“フルサービス”で 200円強
ならば、まぁいいか。ハンマームを出た後、夕食をとってからホテルに戻る。明日は朝早
く出発するので夜のうちに宿泊費の精算を済ませ、今夜は就寝・・・　。